ライフサイクルワークフロー

ライフサイクルワークフロー入門

従業員の「入社・異動・退職」といった人事イベントに連動して、ID 管理作業を自動実行する機能。手作業のミスを削減し、権限の肥大化や放置アカウントのリスクを防ぎます。

導入に必要な要件

ライセンス

Microsoft Entra ID Governance または Microsoft Entra Suite

管理者権限

ライフサイクルワークフロー管理者 / グローバル管理者

ワークフロー構成要素

テンプレート(3カテゴリ): 入社・異動・退職の各シーンに対応した事前構築済みテンプレートから開始できます。

利用可能なタスク例:

規模: 1 つのワークフローに最大 25 個のタスクを組み合わせ可能。最大 100 個のワークフローを作成できます。

重要な制約と対応策

制約内容対応方法
ユーザー・グループを新規作成不可事前に Entra ID 上で作成しておく
複雑な条件分岐に未対応Azure Logic Apps 呼び出しで補完
即時反映不可(既定 3 時間ごと)オンデマンド実行機能を活用
オンプレ AD 属性変更不可カスタムタスク拡張機能で構成
カスタム属性トリガーの遅延最大 4 時間程度の遅延あり。可能な限り標準属性を使用

技術的留意点

カスタム属性をトリガーにすると、組み込み属性(department、jobTitle など)よりも検知に時間がかかります。トリガーには可能な限り標準属性の使用が推奨されます。

実践のポイント ― 入社(Joiner)の自動化を例に

「入社日の前」と「入社日当日」の2つのフェーズに分けたワークフローの実践例です。設定は5ステップ(①事前準備 → ②テンプレート選択 → ③基本情報 → ④スコープ構成 → ⑤タスク構成)で、オンデマンド実行による事前テストも可能です。

フェーズ自動化タスクの例
入社前(入社日1日前)「TAPを作成しメールを送信する」― 一時アクセスパス(TAP)を自動生成し上司へ通知
入社当日アカウント有効化/グループへの追加/「ユーザーにライセンスを割り当てる」/ウェルカムメール送信
テンプレート「採用前の従業員のオンボード」「新入社員をオンボードする」から選択
スコープ例対象ユーザーの条件で絞り込み(例:accountEnabled = false)
事前準備: 対象ユーザーの「従業員入社日」属性に正確な日付が設定されていることが必須です。メール送信タスクを使う場合はマネージャー属性の設定、追加先のグループの事前作成も必要です。

ユーザー・グループは自動作成されない

ライフサイクルワークフローにはユーザーとグループを新規作成する機能はありません。アカウント作成自体はプロビジョニング等の別プロセスで行い、ワークフローは「作成済みユーザーへのタスク実行」を担います。

属性の整備が大前提

対象ユーザーに正確な属性情報が設定されていることが大前提です。入社日・マネージャーなどの属性を事前に整備してから展開します。

オンデマンド実行でテスト

トリガーのタイミング(日数)は要件に合わせて調整できます。本番のスケジュール実行前に、オンデマンド実行で動作を検証するのがおすすめです。

設定手順の詳細:ライフサイクルワークフロー実践編を読む ↗

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